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「山田さんが一番常識的な恋愛観をお持ちみたいなんで、ズバリ聞きますが。やっぱ俺変っすかね?」
「あぁ、いや。同じ頃合いの娘を持つ身としては、あまり好ましくは無いんですが。そういう時期も男にはあるんでしょうな、若い娘が眩しく見えるような」
「ほぅ、気になりますね」
「自分も」
二人の視線を向けられた山田は溜め息を一つ。
「六年程前、馬鹿な家出娘を預かりましてね。自分の娘とは違った若さに、色々考えさせられたんですよ」
「その子に惚れちまったんですかい?」
「いや、娘が一人増えたようなもんでしたが。羨ましく、眩しく見えたのは確かにですな。今でも親交はありまして、当時に輪を掛けて生意気になりましたが。良い友人として、色々勉強させて貰ってます」
「成る程、確かに年齢には関わらず魅力というものは人間から溢れ出るものですね。私もつい最近仕事で関わった女性が、そうでした。年齢は20そこそこでしたが、手強さと若さ故の揺らぎとでも言いますか。抜き身の刃のようでしたよ」
「いやー、勉強になります。自分も数年もすれば貴方達みたいになれますかね」
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