プロローグ

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僕がこの度就職できたのは、一人の少女と出会った御蔭だからだと思う。 少女の名前は御刀枝 零阿(みとえ れあ)、13歳にして『神候補』になった少女だ。 『神候補』、砕いて言えば神様になる為の資格を得た人間、とでも言っておこうか。 この世界には神が存在するとでも思ってもらおう、そうでなければ物語は進まないし、僕がこれまで築き上げた一歩が消されてしまうからね。 さて、話を戻そう。 『神候補』が神になる為には、二つの条件を果たさなくてはならない。 まず一つ目に、『神候補』の信仰、ようするに『神候補』のファンを集めなければならない事。 そして二つ目は、さっき言った一つ目の信仰人数を10万人以上増やした場合のみ、10年に一度、神になる為のトーナメント出場権が貰える、そのトーナメントに優勝したものが、初めて神となる事が許される。 まあ、よく分からなければ、『アイドル』と思ってくれていい。実際それに近いものが、僕の職業であり生きがいなのだから。 何が言いたいかと言うと、僕は『神候補』である御刀枝零阿を神にする為に彼女を『プロデュース』するって事。 あぁ、そう言えば僕の自己紹介がまだだったね。 僕の名前は一年 千鶴(ひととせ ちずる)。職業・神様専門プロデューサー。 通称『神プロ』。
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