第1章

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「八代さん、会長がお呼びです」 営業一課に見えたのは、会長の秘書。 周囲にいた社員は、呼ばれた本人よりも耳をすませ その様子を伺った。 特に、ディスクの島を取り仕切る 直属の上司である田中課長が何事だ。という顔をしている。 「はい。承知いたしました」 八代は、穏やかに微笑むと秘書の元に向かい 消えてしまった。 時間にすること約1分、あっという間に起こった出来事に オフィスに残された社員の間には、なんだったんだ。 という空気が漂う。 彼女が微笑んだ理由も 会長が、彼女を呼んだ理由も 社員の中に知る者はいない。
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