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辺りは燃えている
空には灰や火の粉が舞い、呼吸するのが辛い
ここが何処なのかもわからない
..ぃ......たすけ…
ふいに誰かの声が聞こえる…
周囲に耳を澄ます
ぅ…うぅ…痛い……
足元から聞こえ、視線を落とすと…瓦礫に紛れて人の頭部が見えた為、慌てて足を避け、瓦礫を取り除いていく
すべての瓦礫を撤去していくと、人物像が伺える
20代半ばのやせ形の女性
鎧のような見たこともない…いや、どこかで見たことのある佇まい
俺はこの状況に行動することができず暫く停止してしまう
暫く固まっていると、倒れていた女性はゆっくりと立ち上がり、微かに聞こえるほどの声で
「ありがとうございます」
といい、身の丈ほどはある大太刀を手に足を引きづりながらどこかへ向かっていく
俺は声を掛けることもできなかった。
…ん?なんだろ?足元が熱い為、視線を落とすと
いつの間にか炎が俺の周囲に走り始め、絶体絶命のピンチ?
周辺を見回しても火なんて消せるものはない
考えろ…考えろッ……
焦れば焦るほどテンパってしまう
ふと思った、口の中に大量のよだれが溜まっている事に気付くと迷いもせず、炎へ向けて口を開け放つ
放水開始!!「ぬまぁぁぁ」
なんだろ?...
夢と現実の狭間で何かが聞こえた
「充ッ!!」
扉の前、誰かかが俺を呼びに来たみたいだ
軽く目を開くとうつぶせからの立て膝状態で枕には
「ぬまぁぁぁ」の痕跡が
「うおっ!!くせぇ!!!!」
朝っぱらから我ながらロックなことしやがるぜッ☆
そんなロッカー時計見る…
7:35
不覚、昨日のモンハンのせいだ
「ナルガクルグワァァァァアアア!!!!」
「意味わかんねぇこといってねーで早くガッコいかねぇと遅刻すんぞこのグズ」
朝っぱらハードに俺を起こしに来てくれた妹
白金令奈【シラガネ レイナ】
俺「はい…」
こぼれそうな涙を堪えながら着替え、Sの妹から逃げるように家を出る
自転車置き場に向かった俺は余りの悲惨な光景に状況に言葉をなくし膝から崩れ落ちる...
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