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後方の扉で俺を見ていた者と目が合っているような気がする
薄暗かった為、顔は見えないが扉から左半身のみを出し、こちらを見ていた
女生徒の制服を着ていた為、この子も忘れ物か何かを取りに来たのだろう思い、声をかけようと近付こうとしたが
足が止まる
よく見るとうちの制服ではない
顔は陶器のようで無表情
やせ形で身長も150cmくらいだろうか
そんなことを考えていると
ゆっくりと相手が動き出す
その際、時計の針は止まり、俺と奴以外の全てが停止した事に俺は気付くはずは無かった
黒々とした霧状の物が半身を覆っている
俺の本能が逃げろと騒ぎ立てるも硬直状態のままだ
そいつはゆっくりと、霧状になった空間から腕を引き抜く
全身が現れた際、身体中に悪寒が走る
大部分が人らしきものであるとわかる
ただひとつ、異なるのは左半身、肩から先は機械化した赤黒く錆び付いた巨大なアームが延びている
ターミネーターのシュワちゃんも裸足で逃げ出すんじゃないかってくらいだ
「アンバランス過ぎだろ」と、つい呟いてしまう
突如、奴はこちらへ飛んでくる
いつ足に力をいれたかもわからないが、そんなことは関係ない
バキッ
間一髪、俺は横方向へ飛んで攻撃を避け、元いた位置を見ると、黒板にヒビが走り中央には半径約1mくらいの穴が開いていた
奴は自らの作った穴によりアームが抜けなくなっている
チャンスだ!!と思い、廊下へ逃げだそうとすると
「なんだ??」
突如、俺の左足に痺れのようなものが拡がり
その後、少しづつ感覚がなくなっていく
破片でも刺さったのかと思ったが血は出ていない
気になった為、確かめようと思い制服の裾を捲っていくと俺の意識は遠退きそうになるのグッと堪える
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