第1章

4/4
前へ
/4ページ
次へ
今日も米さんは上品な着物を身に纏い、愛用のエレキギター、ギブソンのレスポールカスタムを担ぎ、手にはエフェクターの納まったケースを持って、ライヴハウスへと向かう。 今日は米さんのお楽しみ、自身のバンドのライヴである。 今のバンドを結成してから7ヶ月、3回目のライヴだ ライヴハウスの楽屋口ではメンバー全員が揃っていた。 米さんの現在のバンドメンバーは中学生、高校生、大学生である。 全員、米さんがライヴを見て自身のバンドに引き抜いた。 米さんはメンバーと挨拶を交わす。 「リハーサルまでに、皆さん支度を整えておきなさい」 メンバーは返事を返し、狭い楽屋に入る。 バンドメンバーは米さんを入れて5人、その中で男はドラムの長谷川浩樹のみである。 楽屋では米さんに挨拶された対バンのバンドが戸惑いの表情を見せる。 「ライヴ、出るんですか?」と聞く輩もいる。 米さんは穏やかな笑顔で答える。 「触レル可カラズのギター、相沢米と申します」
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加