金壱章 雷光一閃

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暫くして、伊勢神宮が ヨシテル達の目に入る。   「伊勢神宮、か……。 ちょっと、祈願がてらに 寄って行きましょう」   「……うむ。いずれ強大な敵と 戦うならば、必勝祈願は 欠かせぬ物……」   「……私も構わないわ……」   ヨシテルに賛同する マサムネとモトナリ。   「あ、お参りするの……? お姉ちゃん達。じゃあ、私もっ」   イエヤスの杖から降りて 走り出すカシン。   「カ、カシンちゃん……!! 走ると転びますよ……!?」   慌てて、その後を追い 手を繋いで、連れ戻すイエヤス。   伊勢神宮・豊受大神宮 (とようけだいじんぐう) 北御門口参道。   境内を守護するかの様に 大きく生い茂り立ち並ぶ樹木達が 馬から降りたヨシテル達を 出迎える。   「わぁ……、おっきな樹が 沢山……」   「流石、伊勢神宮……。 いつ見ても、神秘的ね……」   整地された砂利道を歩き 正殿を目指す五人。   「あれ……?そっち行くの? じゃあ、あれは……?」   カシンが指差す方向には 立派な建物が見えるも 皆、違う方向へ向かうので 尋ねる。   「あれは、神楽殿。 正殿ではありませんよ」   カシンの問い掛けに答える イエヤス。
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