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「......っ、さっき言ったこと、ですか?」
「そう、ですよ。
好きな人に気持ちよかった。と、
僕のことでいっぱいだと言われて
理性が崩壊しないわけがないでしょう。」
桐山さんは明らかに動揺した。
瞳が揺れている。
「す、好きな人って......それは偽の......んっ」
それ以上は言わせないために
唇を塞いだ。
聞きたくない。
そんなことは分かっている。
僕が持ちかけたんだ。
弱みに漬け込んで。
好きな気持ちは偽物じゃない。
恋人っていう関係が偽物なだけ。
チクリと痛む胸の奥。
口付けは益々深く甘くなる。
今だけの、タイムリミットのある関係。
もっと、もっと欲しくなっていく。
この状況は全部君のせいだから
いいよね。
「桐山さん、
お仕置き、しようか?」
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