佐々木予言

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黄昏時。 外に見える夕陽は、深紅と呼ぶに相応しい 綺麗過ぎる赤色をしている。 今はほとんどの人が帰ってしまい 校舎には、人を見つける事が難しい程 静寂が辺りを包む。 30人程が収容可能な、 アナクロな教室はこれから 恐怖の「人狼の館」へと変わっていく... 私は佐々木先輩に言われて用意した紙に 席順と名前をメモる。 後で編集して、この模擬ゲームの結果を レポートとして纏めるためである。 私をGMに置いたのは、 過去の文章からすると、プレイヤーよりも 第三者の公平な立場に立って見ている方が 文章にしやすいだろう、との配慮だと聞いた。 ゲーム前に、佐々木先輩が全員に言ったのは 「カス共!よく聞け。 これから徹攻班として、ゲームを行う。 少しでも雑誌などで語られない 攻略の糸口を探す事を念頭にプレイせよ 以上だ」
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