【暴走Ⅴ その弐】

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それから二人で精神統一。 洋介さんは以前と違って精神統一が半端なく成長している。 隣で目を瞑っていても分かる。 暇さえあれば心を無にする精神統一を繰返しやっていたと言っていた。 やはり何事も毎日の努力が大事だと洋介さんを見て改めて思う。 精神統一も終わった頃。 矢部さんが大和達を連れて来た。 矢部さんに組員さん達を連れて来るようにお願いして、大和達を道場の中へ入る様に促す。 「ありがとう。大和。ちょっと、あっちで待ってて。」 大和を端の方で待たせて、6人に向き直る。 「おはようございます。良かった。信じてましたよ。皆、ちゃんと来てくれるって。今日から指導者として、人に教えてもらうのですが。その前に言っておきます。ジムをするにあたって、色んな年齢の人に接する事になります。小さな子供から大人まで。習い事で来る子もいれば仕事帰りに運動がてら来る人も居ると思うんです。本格的にしたいって人も居るだろうし。まぁ。とにかく。目的も年齢もバラバラ。そこをどうやって教えてやって行くかは、あなた達にかかってます。始めは慣れてない訳だし、出来なくて当たり前。なので、とにかく。自分の経験を生かして、基本的な事から教えていって下さい。それと、空手、柔道、合気道。と、3つに別れます。二人一組なんで、指導方法を二人でしっかり話し合って上手くやってください。指導方法を統一しないと、教わる方はどっちを聞けばいいのか分からなくなるんで。今日からは指導の練習なんで、ジムを開くまでには色んな事。試して反省点をあげて次に生かして下さい。頑張って下さいね。」 私の言葉をジッと黙って最後まで聞いていた。
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