【暴走Ⅴ その弐】

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組員さん達も来て、一通りの説明をした。 それぞれに分かれてもらい指導開始。 しばらく、その様子を見る。 最初は少しオドオドしていたが、だんだん馴れて来たのかきちんと指導をする様になってきた。 その様子を見ていたら、大和が横に来た。 『まぁ。大丈夫そうだね。蘭花ちゃん。あいつらの事。ヨロシクね。巻き込んだのは俺のせいだから。あいつらは本当は格闘技やりたいんだよ。話してて分かる。どこかヤケになってたんだ。だから、蘭花ちゃんには本当に感謝してる。あいつらに生きる場所を与えてくれて。ありがとう。』 そう言った大和の笑顔は穏やかだった。 「あの人達の強さはさ。絶対、今まで努力してきた証だと思うから。それを生かさないなんて勿体ないしね。まぁ。私にはビジネスだから。しっかりしてもらわないとね。」 ニッと笑うと 『蘭花ちゃんのそういう所。凄く好きだよ。』   大和もニッコリ微笑んだ。 指導の方は思ったより大丈夫そうだったので、大和の今後の予定を話すことに。 「とりあえず、色んな手続きがあるからさ。あっちに移住する訳だし。結構、面倒だけど。龍咲さんが詳しいかもしれないから、大和は必要書類を揃えてくれたらいいよ。あっちでの住まいとかは、竜兄のお父さんにでも聞いてみるし。バイトも聞いてみる。あっ。何ならモデルも出来そうじゃない?」 『モデル?いや。無理だよ。あっちもこっちもって出来ないよ。俺。そんな器用に立ち回れないし。』 あぁ。そうだよねぇ。 「だね。じゃあ。何か無いか聞いてみる。なるべく早く行ける様にするから、大和も準備はしといてね。」  『ところで。龍咲さんとか竜兄とかって誰?』 「龍咲さんは私のお爺ちゃん。竜兄は輝条竜。」 『へぇ~。竜兄って呼んでるの?』 「ん。私のお兄ちゃんの幼馴染みだからね。昔から竜兄って呼んでる。」 『昔からの仲なんだね。じゃあ。敵わないな。ちょっとは期待もてるかと思ってたけど。残念。でも、俺は蘭花ちゃんの事。ずっと好きでいるから。それは許してね。』 「大和にも好い人みつかるよ。きっと。」 そう言うと、少しはにかんだ様に笑って、だといいけど。と、大和は言った。
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