365人が本棚に入れています
本棚に追加
組員さん達も来て、一通りの説明をした。
それぞれに分かれてもらい指導開始。
しばらく、その様子を見る。
最初は少しオドオドしていたが、だんだん馴れて来たのかきちんと指導をする様になってきた。
その様子を見ていたら、大和が横に来た。
『まぁ。大丈夫そうだね。蘭花ちゃん。あいつらの事。ヨロシクね。巻き込んだのは俺のせいだから。あいつらは本当は格闘技やりたいんだよ。話してて分かる。どこかヤケになってたんだ。だから、蘭花ちゃんには本当に感謝してる。あいつらに生きる場所を与えてくれて。ありがとう。』
そう言った大和の笑顔は穏やかだった。
「あの人達の強さはさ。絶対、今まで努力してきた証だと思うから。それを生かさないなんて勿体ないしね。まぁ。私にはビジネスだから。しっかりしてもらわないとね。」
ニッと笑うと
『蘭花ちゃんのそういう所。凄く好きだよ。』
大和もニッコリ微笑んだ。
指導の方は思ったより大丈夫そうだったので、大和の今後の予定を話すことに。
「とりあえず、色んな手続きがあるからさ。あっちに移住する訳だし。結構、面倒だけど。龍咲さんが詳しいかもしれないから、大和は必要書類を揃えてくれたらいいよ。あっちでの住まいとかは、竜兄のお父さんにでも聞いてみるし。バイトも聞いてみる。あっ。何ならモデルも出来そうじゃない?」
『モデル?いや。無理だよ。あっちもこっちもって出来ないよ。俺。そんな器用に立ち回れないし。』
あぁ。そうだよねぇ。
「だね。じゃあ。何か無いか聞いてみる。なるべく早く行ける様にするから、大和も準備はしといてね。」
『ところで。龍咲さんとか竜兄とかって誰?』
「龍咲さんは私のお爺ちゃん。竜兄は輝条竜。」
『へぇ~。竜兄って呼んでるの?』
「ん。私のお兄ちゃんの幼馴染みだからね。昔から竜兄って呼んでる。」
『昔からの仲なんだね。じゃあ。敵わないな。ちょっとは期待もてるかと思ってたけど。残念。でも、俺は蘭花ちゃんの事。ずっと好きでいるから。それは許してね。』
「大和にも好い人みつかるよ。きっと。」
そう言うと、少しはにかんだ様に笑って、だといいけど。と、大和は言った。
最初のコメントを投稿しよう!