【暴走Ⅴ その弐】

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組長室を後にして、また道場へ向かった。 ちょうど休憩中らしい。 「お疲れ様。どう?指導するってのは。出来そう?」 6人に聞く。 『ん。まぁ。自分がやってきた事を教えるから出来ない事はないかな。』 と、柔道の大木さん。 『人に教えるって難しい。でも、その分遣り甲斐がある。』 と、極真空手の加賀見さん。 『今は大人の指導だけど、子供だとどうだろうな。』 と、合気道の時任さん。 『俺。ガキは苦手だな。』 と、空手の山河さん。 『やっぱり異年齢ってのは難しいよな。』 と、柔道の倉田さん。 『でも、やらなきゃな。俺たちに出来る事はそれくらいだろ。』 と、合気道の青田さん。 「皆。それぞれ真剣に考えてくれたんだね。確かに年齢が違う人達を教えるのは難しいかもしれないよね。私もそれは思う。そこら辺も考えなきゃいけないね。時間帯で年齢区切るとか。それか、二手に分かれてするか。まぁ。色々試して最善な方法考えていこうね。だから、思った事とか意見とか全部私に言って。遠慮する事はないから。私も経営とか初めての事だし。そこで実質動くのは皆だし。だから、頼りにしてます。これから一緒に頑張っていこうね。」 ニッコリ笑うと皆何故か俯いた。 「どうしたの?」 首を傾げると 『ハハッ。皆。蘭花ちゃんの笑顔にやられたんだよ。』 「やられるとか……。よく分かんないけど。まぁ。皆が一つになるのは良いことだよね?」 大和に視線をやる。 『蘭花ちゃんは無自覚さんなんだね。竜さんだっけ?大変そう。』 「…無自覚とか久しぶりに聞きました。」 最近は、自覚を持てと言われるけど。 あっ。同じか?
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