【暴走Ⅴ その壱】

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約、一週間前。 私はストリートファイト集団のリーダー戸田大和に負けた。 全国暴走族総取締役に就任してから、2年目にして初めての事だった。 初めて負けた敗北感。 自分の力の無さに悔しくて歯痒くて。 どうしようも無い無力感に襲われた。 それを立ち直らせてくれたのは、私の愛する婚約者。 輝条 竜。 一番の理解者で、私の敗北要因を冷静に判断してアドバイスをくれた。 相手との闘い方の違い。 初めてボクシングというものに関わる事になった。 何も分からない私に、ボクシングジムを経営する友達を紹介してくれた。  そして、何も言わず見守っていてくれた。 この人の為にも私は勝たなくてはならない。 絶対に。
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