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「…でも、コイツは県外の大学でしょう?それも経営学部…」
その教師の言葉に、加賀見は納得できないのか、眉間に皺を寄せながら俺を見つめた。
「俺、2年に進級する時に、県内にある教育大学に編入したんです。」
そんな加賀見を見つめながら、きちんと周りにわかるように俺はそう言った。
そう、編入したのだ。
わざわざ加賀見から逃げるように選んだ県外の国立大学からこの街にある教育大学へ。
それも、教師という限りなく加賀見に近付く道を選んで。
そして、実際このような形で再会を果たした。
わざわざ加賀見を忘れようと、思い出さないように遠くの大学を選んだのに、
なんでまた編入までして戻ってきたのかって?
それはもう単純に、加賀見を忘れられなかったから。
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