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ーーー失礼します
「この度、母校である港南高校で教育実習をさせて頂くことになりました蓮見利人と申します。
未熟者ですが、どうぞご指導宜しくお願い致します。」
職員室への扉を開け、一礼をした。
スゥッと息を吸い込み、ありきたりな言葉で自己紹介を済ます。
授業中ということもあり、職員室にいる教職員の数は疎らで、そこには3年前とさほど変わらない教師たちの顔があった。
「お?蓮見か!久しぶりじゃないか!なんだ、見かけない内にすっかり落ち着いたな。」
「藤野先生、お久しぶりです。…先生は相変わらずお元気そうで。」
懐かしいようなつい最近のことのような記憶の中にある、相変わらず声が大きく元気な藤野に笑みを浮かべながら答えた。
「あれ?確か蓮見くん…経営学部じゃなかった?何でまた教育実習に?」
藤野と当たり障りのない会話をしていると、懐かしい先生たちが声を掛けてくれる。
その中、進路担当だった先生が思い出したようにそう言った。
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