再会の夕暮れ

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ーーそうなのだ。 その先生の言う通り、俺は地方の国立大学経営学部に進学した。 その理由は不埒なもので、とにかく胸の焦げるような思い出の詰まったこの街から離れたかった。 遠くに行けるのならば学部などどうでもよかったのだ。 それほど、その頃の俺は追い詰められていた。 そんなことを思い出しながら、問いかけられた質問に答えようとした。 ーーその時 『ガラガラッ』と職員室の扉が開く。 その音につられ、その方向に視線を向ける。 そこに映ったのは、 ーー忘れもしないあの人。
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