またこの場所で

再会の夕暮れ

「っ！……蓮見、か？……なんでここに？」

耳に届いたのは、これもまた忘れもしない低く静かに響くような声。

その声には動揺が含まれ、冷静沈着なあの人がどれほど驚いているのか手に取るようにわかった。

「ーーーー加賀見先生、お久しぶりです」

加賀見総司。

ーーー俺の愛した人

そして、俺の人生を180度変えた人。

「あれ？加賀見先生、ご存知なかったんですか？てっきり二人の仲ならご存知だと思っていましたよ。」

他の教師の何気のないそんな一言に俺は内心苦笑いを漏らす。

そう、他の教職員から見ても、俺たちは仲がよろしかったのだろう。