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ギュッと目の前の想い人のスーツの裾を握りしめ、決死の覚悟でそう告げた。
「…蓮見、ありがとう。…俺は心からお前の教師でよかったって思えるよ。
…お前と出会えて幸せだった。
大学に行くと、素敵な女性なんて山程いる。
今とは比べものにならないぐらい出会いも増えるだろう。
…そうすると、俺への気持ちなんて簡単に消えるよ。」
聞こえて来たのは、そんなセリフだった。
先生の真意がわからない、俺はその程度の気持ちなんかじゃないっ!
俺はっ…!
「俺は、そんなっ…
「蓮見、俺はお前の幸せを一番に願ってるよ。」
「…卒業、おめでとう。」
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