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俺の言葉を遮って聞こえた先生の低く静かに響く声。
その有無を言わさない言葉に、俺は何も言えなかった。
ただ、ひたすら唇を噛み締め、涙を堪えた。
そして、無理矢理作った笑顔で加賀見を見上げる。
最後ぐらい笑っていたかった…
見上げた先に映るのは、初めて見る相手の悲痛な表情。
そんな表情をさせてるのが自分だと思うと、耐えられなかった。
「センセ…今までありがとう…」
上手く笑えただろうか?
そんな事を考えながら俺は教室から立ち去った。
その目からは堪えていた涙が溢れ、すっかりひと気のなくなった校舎の陰で涙を流した。
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