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そして更に一週間。
またしても会えない日が続き、正直毎日通うのは大変になってきていた。
政宗達もしつこいし。
が、しかし。
それでも諦めきれない何かが、千晶を動かすわけで。
「今日はどうかなあ…。」
なんて独り言を言いながら、毎日毎日、図書館の中を徘徊する。職員の人にジロジロと見られるのにも、もう慣れた。
(もうそろそろ帰ろうか。)
そう思って暇つぶしに読んでいたスイーツの本から目を離した時だった。
あの人だ。
またしてもあの人がやって来た。
興奮を抑えながら、本を盾に観察をする。今日は黒系の服を着て、髪型が前と違う。
少し短くなっている。
(髪、切ったんだな。)
なんて考えながら、彼が移動したのを見てあわてて後を追う。
こっそりと本棚の影から覗いていると、千晶はある事に気が付いた。
水曜日。
彼が図書館にやってくるのは、決まって水曜日の事だった。
政宗達にばれないように、無理矢理振り切って通っていた身としては、とても重大な発見だった。
それから水曜日は毎週、千晶のとても大切な
【お勉強の時間】
となったのだった。
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