1章:甘いものは程々に

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世紀の大発見をしてから、早二年と少し。 受験勉強そっちのけになりそうになったこともあった。 政宗達が怪しく思ってこっそりと後をつけてきた事もあった。 ばれたく無いので遠回りしたり、見つけたりして回避したけれど。 色々あったけれど、未だに彼は水曜日に図書館に来ている。 勿論水曜日に行っても来ていない事だってあったが、殆ど見かけることが出来た。 そして俺はコッソリと、あの人を観察するんだ。 私服を少しだけ真似してみたり、同じ髪型にしてみたり。 最初は外見を真似ていたけれど、それはもうやめた。 だって、人にはそれぞれ似合う物があるって言うだろ? そういうことだよ。似合わなかったんだよ。 笑われたよ。くそったれ。 だからそれからは、立ち振る舞いや行動を徹底的に観察した。 軽くストーカーみたいだけれど、許して下さい、なんて思いながら。
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