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「ちーあきっ!」
そんな声が聞こえて振り返ると、そこには政宗と遙。
千晶は吃驚して口をパクパクと開ける。
「…えっ!ちょ、何でいるの?!」
なんてこった。
何年も欺いて来たというのに、焦って油断していた。
「いやいや、俺らも図書館くらい来るって~。」
な?遙~。何て言いながら政宗はバシバシと遙の背中を叩いている。
怪しい。
遙はそんな政宗を全く気にする様子もなく、ジッと此方を見て言った。
「…千晶…は…なんで…ここ…?」
何かを見透かすような目で見つめられながら、二人にだけは言いたく無いのと、時間が惜しいのとで頭の中は大混乱だった。
どうしてここまで言いたくないか、だって?
そんなの決まってる。
あの王子様を真似した俺を散々笑ったのは紛れもないこいつらなのだから。
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