2章:挙動不審は程々に

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図書館大事件を無事回避してから早三日が経過した。 千晶は多いに悩んでいた。 「…うーん、やっぱりここって…そうだよなあ…?」 現在進行形で、である。 首を傾げながら目の前にある建物を、ジロジロと観察するも、いまいちピンと来ない。 建物の端っこにカフェボードが置いてあることから、多分カフェであっているのだと思うけれど。 「入ってみるかなあ…?」 でも、入り口はどこだ?なんて考えて千晶は立ち止まる。 ごく普通なカフェならば気にもしないのだが、ボードにチョークで描かれた綺麗なイラスト、そして何より、大きく大きく書かれた 【男性歓迎!!】 の文字。 それにメニューにあるイチゴのミルフィーユなんてとても美味しそうだ。 気になってしまうのも仕方が無いと思う。 実はあの後、ハッとして図書館の中に急いだのだがどうやら彼は来ていなかった。 なんだ、全然焦る必要無かったじゃないか、なんて脱力しながら、 彼に会えない事に若干落ち込む。 まあ、来週があるし。 …アイスでも買って帰ろうかなぁ…。 そう思っていつもと違う道を通った。 その時ふと目に着いたのが、この看板だったのだ。
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