1章:甘いものは程々に

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それからというもの、一応昼休みにならないものかと交渉を試みるも、敵は圧倒的な戦力を持ってその意見を捩じ伏せた。くそったれめ。 やらないと後が怖い為、仕方なく数学準備室に向かい、室内の隅に掃いたゴミをためて隠す作業を続けること10分。 爽やかな、そして鬼のような笑顔で此方を見つめる顔を見つけたため急遽塵取りを探すのに10分。 色々と誤魔化す為に真面目に掃除すること15分。 結局終わった頃にはその他諸々も含め、40分もの時間が経っていた。 最初から真面目にやればもっと早く帰れたかもしれない。 千晶はため息を着くと、黄緑と紫色の派手なリュックを背負う。 因みにこの悪趣味なリュックは、千晶の趣味ではなく政宗からのプレゼントだったりする。 不細工な顔面崩壊兎もついていて、あまり好きではないが、貰った物に文句は言わない。 さて、さっさと帰るか、なんて考えていたらずっと黙って此方を見ていた二ノ宮先生が言った。 「朝倉、やれば出来るじゃねえか。」
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