1章:甘いものは程々に

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滅多に褒めない二ノ宮先生に珍しく褒められ、一瞬なにを言われたか理解が出来なかった千晶は、ポカンとした顔で見つめる。 何を企んでやがる、気持ち悪い。 「んだよ、その顔は?」 ああん?と凄むような顔をしながら先生は言った。 おっと、どうやら顔に出ていたらしい。 「あー、いえ、何でもー。」 千晶はヘラッと笑みを返しながら言った。 (もしかして二ノ宮先生、機嫌良い?どうしたんだろう。 まじで謎。) 裏がありそうでビクビクとしながら、千晶はこっそりと顔色を伺う。 すると二ノ宮先生はシッシッ、と動物を追い払うような動作をしながら、ほら、さっさと帰れよー、なんて言う。 (よく分かんないなあ…。) そう思いつつ、早く帰れるならまあいいかと思った千晶はくるりと先生に背を向けると、一応挨拶をした。 「…じゃ、お疲れ様でーす。」
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