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体の胸や腰は絶対触らせてはダメ。
顔も首も足もダメ。
髪は俺のもの。
手のひらや腕も性感帯に成りうる………
結論。
他の男は近付くな。
「瞳子さん、他の男に触られないでね」
「どうしたの急に佐川くん」
「友達だから、とか挨拶だから、とか、少しずつ接触が増えて、気がついたら触られたらダメな所にまで……!
男は調子に乗るんだから」
「…………触れるって言っても、そんな機会、さ、佐川くんしか無いし」
そう言って繋いだ手を見る。
あ。
「体育とか授業ならあるかもしれないけど他の人と手を繋ぐなんて……無理。」
ぼんっと音がしそうなくらい、赤くなっている。
男は調子に乗るんだから。
そんな顔しちゃだめだって。
「俺は特別なの?」
「うん。」
うわああ抱きしめたい。
武道館に着いたので、名残惜しいけど別れた。
道着姿もポニーテールも好きだから、良いけどさ。
小さく手を振る瞳子さんを見送って、男子部室に入る。
ジタバタと身悶えする。
『俺の瞳子さん世界一可愛いいいいい!』
「佐川、床抜けるからやめろ」
「お前、本当に瞳子ちゃんの前でカッコつけ過ぎ」
先輩達の呆れた声も、リア充となった俺にはスパイス程度にしかならない。
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