◼️学校での佐川と瞳子

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朝練の後で、シャワーを使うんだけど。 夏になってから瞳子さんは髪を乾かさずに慌てて出てくるから、ドライヤー片手に待つ。 「あれ、シャンプー変えた?」 「うん。沙和先輩がね、先週持ってきてくれたの。」 女子は皆で相談して部費から買うらしい。 剣道部と柔道部は匂い対策に万全の対策を取っている。 「シャンプーとボディーソープのセットで、南国系のフルーツのシリーズなの。」 「うん。ちょっと変わってていいね。瞳子さんの今までの好みとは違う?」 「そうなの。甘すぎるかなって、自分では選ばないタイプだから楽しい。」 うん、甘い。 この髪に埋もれた…… 「それでね、夏はシャワーの回数が増えるから、肌がカサカサにならないようにって、ローションもくれたの」 ローション…… 「ココナツミルクで、トロトロだけどベタベタしてないんだって。 やっぱり経験者のアドバイスは違うねって皆で感心して………どうしたの、佐川くん、固まって」 ローション ミルク トロトロ ベタベタ 経験者 経験者!! 誰のためのスベスベ肌だ、勇吾さんめ…… 部活を引退してからバカップルぶりが止まらない沙和先輩と勇吾先輩を苦々しく脳裏に浮かべる。 「羨ましくなんか……」 「え?ごめん風で聞こえない」 「男子の先輩はそこまで気にかけてくれないから、女子は仲良くて良いなって思っただけだよ」
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