籐山 臣親

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「皆様、入社おめでとうございます。  私は接遇の担当をさせて頂きます  東京支社から来ました高江 小百  合と申します…」 講師のお姉さんが挨拶をしてるとき、貰ったパンフレットを開いてみるフリをして、隣のチカちゃんを見て直ぐにビックリ。 思わず二度見で自分の手とチカちゃんの手の大きさを見比べる。 日焼けした小麦色のチカちゃんの左手は、異様なぐらいに大きくてゴツゴツしてた。 一体何をしてたらこんなにゴツくなるんだろ? 同じ人間とは思えない違いに、私がひたすら見とれてると。 「それでは以上の点を踏まえて自己紹  介の練習をしてみましょう。  皆さん、お隣りに座っている方と  向き合って実演してみて下さい」 講師のお姉さんがにこやかに言い放つ。 以上の点って何? すっかり聞きそびれてひたすら焦る。 そして隣りのチカちゃんが面倒臭そうにコッチに向かって動いて二度ビックリ。 真正面から見たチカちゃんの印象は、とにかくゴツくてデカかい。 スポーツカットの短い髪型は清潔感を感じさせるし、顔の造りも不細工ってワケじゃ無いんだけど、とにかく目つきが鋭くて怖いかも。 こりゃ誰も寄りつかなくて当たり前? 「ぶじやま…きょしん…さん?」 テンパりついでに思わず首から下げてるネームプレートを口に出して読んでしまい、おずおずと見上げる。
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