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なるほど“富士山”に“巨身”ホント大きな身体通りの名前の人だなぁ、って1人で納得してると。
「きょしんて…。
お前…ソレ1つも合って無いだろ」
コイツ馬鹿なんじゃね?オーラを丸出しにして、チカちゃんが呟く。
「…すみません。
でも、何て読むんですか?
この漢字(臣親)なんて初めて見ま
したよ、フジヤマさん」
「トウヤマだ。
ホントに頭悪いのか?」
間違えたのは私で、悪いのは私。
でも、何もそんな風に言わなくても…。
「それにコレ(臣)は、巨とは読ま
ないだろ…。
漢字違うし。
小学生でも読めると思うぞ?」
何この人感じ悪い。
自分のネームプレートを指さしプフッと吹き出すチカちゃんに、私はカチンと来る。なんだか意地悪そうな人だなぁって思った。
「ちょっと間違えただけじゃ無いで
すかぁ~。フジヤマさん」
「だからトウヤマだって、言ってんだ
ろ…」
イラッ来る気持ちを飲み込んで、私はヘラッと笑みを浮かべた。
怖い人かも知れないけれど、人を小馬鹿にするその態度が気に入らない。
間違いなんて、誰でもあるじゃんね?
本当はトウヤマだって、理解してたケド素直になれなくて、ワザとフジヤマの連発で返す。
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