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「谷口 美奈子です…。
宜しくお願いします」
美貌に呑まれて、急に頬を染めてモジモジ大人しくなる私に、若菜さんと愛美さんは顔を見合わせる。
「美奈子ちゃんて、意外に可愛いら
しいのですね~?」
「とっても初々しい感じ。
ひょっとして高卒?」
「はい。そうなんです。
お二人は…」
「大卒よ」
あぁ、ヤッパリ。
化粧慣れしてるって言うか。
貫禄が違う。
私達3人は食券を買うと、4人掛けのテーブル席に腰を下ろし、お互いの情報交換を行う。
ボーイッシュな若菜さんは美術大学の出身者で、様々なデザインをする為に入社したらしく。
癒し系美人の愛美さんは英文科卒業で、秘書課を目指しているらしい。
そして商業高校卒業の私は事務局。
車の会社と言ったって、これだけ大きな会社なら、やることは沢山あるから人材も様々だ。
「経理課とか行けるとカッコイいんで
すけど、何処に回されるんでしょう
ね…?」
「私も出来れば車のデザインに関わる
仕事が出来れば最高なんだけど、難
しいだろうなぁ~…」
「私も秘書課が希望ですが、倍率が
お高いと言いますでしょう?
皆さん、頑張りましょうね~…」
まだ詳しい部署の発表は無い。
合宿の最後に、勤める会社の場所と部署の通知があるらしく。
私達は間近に迫る未来の希望と不安をうち明け合いながら、ランチを食べていた。
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