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「え~っとまる子ちゃんって高卒
なの?
随分と若いよな」
まる子じゃ無いです…。
茂木さんが明るく聞いて来るけど、その無邪気さに胸がズキッと痛んだ。
咄嗟に返事が出来なくて、俯く私を見た若菜さんが眉を跳ね上げる。
「ちょっと馴れ馴れしいんじゃ無い?
この子は谷口 美奈子ちゃん。
まる子じゃ無いわよ…」
「え?そうなの??
な~んだ。
見た感じがそうだから、てっきり
本名かと思った。
あ…似てるって言っても、小さい所
とか髪型の事で…。
って、何睨んでんの??」
「貴方が失礼な事言うからでしょっ」
「ええっ?!」
若菜さん…強い。
茂木さんタジタジで、その姿が少し申し訳いけど可愛いらしい。
「アハ…佐々木さん。ありがとう
ございます。
私…大丈夫です」
庇ってくれたのも嬉しくて、何とか笑顔をひねり出す。
「…美奈子ちゃん」
心配そうに眉毛を八の字に下げる若菜さんの少し離れた横のテーブルで、茂木さんも明らかにホッとしている。
私…そんなに情けない顔してたのかな?
気をつけなくちゃ…。
「……俺ん時と随分態度が違う」
その時チカちゃんが、ボソッと呟く。
それが私のイライラポイントをプミッと押した。
「チカちゃんは茂木さんより全然失礼
さが違うんですっ!!」
私はキッと涼しい横顔を睨み付ける。
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