谷口 美奈子

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「次3番と4番がチューしろっ!」 4番と書かれた割り箸を握り締めて、私は茫然と固まった。 「え…キス?」 だってそれまでは手を握れとか、そんな簡単な命令だったのに、何でキス? ちなみに産まれてこの方、誰ともキスなんてした事無いのに、何でキス?? 罰ゲームにファーストキス??? 冗談じゃ無いっっ!!! 「それってほっぺたとかだよね?」 割り箸を握り締めながら質問する私に。 「唇に決まってんじゃんっ!」 王様になった男の子がニヤニヤしながら言い放つ。 「3番と4番はだ~れだっ?!」 蜂の巣をつついたような興奮状態の中で、割り箸を握り締めながら冷や汗を流す私。 だってファーストキスだよ。 普通、ゲームでなんて有り得なくない? その頃にはもう、少女漫画のような恋愛に憧れていた私。 メールでやり取りしながら気持ちを高め合って、ドキドキしながらデートで手を繋いで。 キスなんてホント最終イベント的なもんだと思ってたのに…。 …罰ゲームでキス。 マジで有り得ないんですケド。
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