谷口 美奈子

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もう恋なんてまっぴら。 最悪な私に彼氏なんて出来る筈が無い。 それからお洒落アイテム、全部封印して合コンを辞めた。 勉強に生きると方向転換して、今取れる資格はコンプリートしようと頑張った。 偶々勉強して英検三級が取れた事も大きかったね。 努力が報われるって、凄くホッとする。 でも、勉強のおかげで夜食を食べる機会が増えて、体重は見事にリバウンド。 「お前…流石にヤバすぎじゃね?」 直ぐ上のお兄ちゃんに言われ、久し振りに乗った体重計を見てビックリ。 65kgの大台に乗って、体脂肪率が40%を超える事があるのを初めて知って、ひたすら呆然としたのは高校2年生。 お友達の恋バナがどんなに痛くて羨ましくても、こんな私に恋なんて。彼氏なんて永遠に出来る筈が無いと密かに絶望。 思えば思うほど憧れて。 勉強に打ち込めば打ち込む程虚しかった高校三年生。 そして私は卒業する。 落ちるのが当然だと思われてた一流企業への内定通知は、恋に絶望した私への神様がくれたご褒美で。 お祭り騒ぎのように、家族も、先生も驚いて喜んでくれたけど。 “一生恋なんて出来ないよ♪” そんな風に神様に言われたような気がするのは、私の気のせいなんだろうか…。
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