誓いマス

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「そろそろ時期的にいいんじゃない?」  6月の雨が降り注ぐ日曜の昼、私は彼にそう言われた。  いつも買い物に行くスーパーの野菜売り場の前。  私の手にはブロッコリーが一つ。  最初は何の話かも分からなかった。 「え?何が?」 と慌てて聞き返す私に、 「あぁ、だから結婚」 と、平然と答える彼。  一瞬キョトンとして頭の中をフル回転させる。  え?  今のってプロポーズ?  まさかね、だってココ、スーパーの野菜売り場だもんね。  そう思い直して、再び彼の横顔を見上げる。  そこには、涼しい顔の彼。
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