誓いマス

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 それからも私達は順調だった。 「ねぇ、式場どうしよっか?」  私はあちこちから取り寄せたパンフレットを彼の目の前のテーブルに広げた。 「ココはね、教会が凄く可愛いの。でね、コッチは」  「杏純のいいと思う所でいいよ」  私の話は、かなり序盤で彼の言葉に遮られた。  分かってる。  彼は私と話すのが決して面倒な訳ではない。  本気でそう思っているのだ。  私の望むようにすればいいと……そう思っているのだ。  私は手早くパンフレットを片付けると、小さく『うん』と頷いて少しだけ口角を上げた。
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