39人が本棚に入れています
本棚に追加
それからも私達は順調だった。
「ねぇ、式場どうしよっか?」
私はあちこちから取り寄せたパンフレットを彼の目の前のテーブルに広げた。
「ココはね、教会が凄く可愛いの。でね、コッチは」
「杏純のいいと思う所でいいよ」
私の話は、かなり序盤で彼の言葉に遮られた。
分かってる。
彼は私と話すのが決して面倒な訳ではない。
本気でそう思っているのだ。
私の望むようにすればいいと……そう思っているのだ。
私は手早くパンフレットを片付けると、小さく『うん』と頷いて少しだけ口角を上げた。
最初のコメントを投稿しよう!