1人が本棚に入れています
本棚に追加
気が付くと苦揺も私も寝ていて、
腕の時計を見ると、
もう朝の七時だった。
私は寝ている苦揺に持ってきた毛布をかけて、
シャワーを浴びた。
体中の苦揺のむせかえるほどの甘い匂いを落として、
きちんと整えられたスーツを着て、
みてなにが楽しいか全くわからないクラゲを通り越して、
なんでいるのかわからない水族館を後にして、
眩しい朝日に向かって背伸びをした。
「あ、主任!!
やっぱりここにいたんすね!!
また奥様といちゃいちゃしてたんすか?
お子さん確か今16歳っすよね?
反抗期でいやがられちゃうっすよ!!」
そんな感じに“気持ちを入れ換えていたら”
まだ妻は生きていると思っている世間一般人の一人かつ
私の物理学科の教え子兼助手が私を呼びに来ていた。
「へっへっへ、
俺の娘は俺の天才の血が流れているからそんぐらいは空気よめるっつの!!」
「わあ、いい娘さんっすね。
今度しょうかいしてくだ」
「やだね。」
「ですよねー。
……んじゃ、今日も実験にいきますか。」
「了解。」
こうして私は娘のお陰でただの天才学者として、
今日も罪なんて幻に苛まれずに、
社会人が出来るのだった。
最初のコメントを投稿しよう!