116人が本棚に入れています
本棚に追加
菜摘先輩、今日の事は絶対覚えていないだろうな…。
あの人の酔い方はだいたいたちが悪い。
どうせまた月曜には説教だな…。
休みを挟んだ月曜日。
「はい。ここまでやってみて~」
菜摘先輩は明るい声で指示を出す。
また俺の後ろで止まった。
「駿介、ここ違う~」
また顔が近い。
どうも頬にチュッとしたくなる。
こんな事なら酔ってる時にキスでもしとけば良かった。
「あぁ…すみません…」
俺は指摘された部分を削除した。
「しっかりしてよ~駿介くん」
それは俺の台詞だろ。
飲み会の記憶は全然ないらしい。
菜摘先輩は俺に御礼を言う事もなく、次の研修生に声を掛けていた。
俺達の研修は後二週間で終わる。
俺の職場は開発課だ。。
願ってもない配属先だ。
だが開発課は30名位となかなかの大所帯だ。
菜摘先輩はチーフを務めている為、職場の上層部に変わりはない。
俺なんかの新人がまずは近付ける様な雰囲気の状態ではない。
どうやってアピールしていくか…。
これからはこれが当面の課題だな。
→
最初のコメントを投稿しよう!