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研修最終日。
今日は今までやって来た事をプレゼンする日だ。
研修生がどんどんとプレゼンしていく。
何名かが指摘され、俺の番が回って来た。
「駿介くん。大丈夫ですかね~」
菜摘先輩は俺に軽蔑の目を向けてくる。
やれないんじゃなくて、やらないだけだった俺のプレゼンは完璧だった。
「パチパチパチパチ」
拍手が聞こえる。
研修生に混ざって菜摘先輩も拍手していた。
「やれば出来るんじゃない~」
初めて褒められた気がする。
なんか面映ゆい感じがした。
「今日で研修は修了いたします。皆さんよく頑張ってきましたね。みなさんこれからはそれぞれの課に別れて仕事をして行く事になりますが、そこでも即戦力になれるように頑張って下さい」
「伊藤駿介くん。これからは開発課で即戦力になれるように頑張って下さいね」
みんなそれぞれに帰っていく。
「駿介。だいたいあなたは元々出来が悪いんだから、精々頑張って下さいね~」
菜摘先輩が意地悪げに俺の肩に手を掛けてそう呟いた。
なんだよ。
いくらプレゼンの研修だとは言え、俺はもう入社3年目だ。
即戦力にはなれるつもりだ。
ただし、あの手強い江藤さん幹部達を避けて、どうやって菜摘先輩に近付くか…。
それが問題…だな。
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