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首元には普段感じない軽い重み。
鎖骨辺りにある、見慣れない物を手に取って見てみる。
私の手に乗っているのは、細いチェーンにハートのモチーフには小さなダイヤが輝いていて、その中には可愛らしい淡い色の真珠がついているネックレス。
こ、これ…私が好きだって言っていたブランドの一番の新作のネックレスだ!!
「し、忍さん!これ!!」
首だけ勢いよく彼の方を向いた。
少し恥ずかしそうにしている顔で、私の頭を撫でた。
「あなたにはまだ何もプレゼントした事が無かったですからね。
本当は来週会った時に驚かせようと思っていたんですけど…
ここまで来てくれたご褒美です。
貰って下さい」
「い、いいんですか?」
「いいも何も、凛の為に買ったんです。
そこのブランドが好きだって、前言っていたでしょう?」
覚えててくれたんだ…
あの海で話した時の事。
忍さん、こんな話なんか全然忘れていると思ってた。
「嬉しい!ありがとうございます!」
スツールから飛び降りて、彼に飛び付いてしまった私。
私の勢いで二人で後ろに倒れそうになったけど、忍さんが踏ん張ってくれたおかげで何とか大丈夫だった。
「本当はもっと違うのをあげたかったんだけど」
「へっ?」
「サイズがわからなかったから」
「何のですか?」
「でも、さっき確かめたから大丈夫」
「忍さん?」
「楽しみにしてて下さいね?」
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