Pure

86/94
2952人が本棚に入れています
本棚に追加
/98ページ
「それ、何の葉書ですか?」 忍さんは懐かしそうな瞳でその葉書を見つめていると、私にも見せてくれた。 「同窓会…?」 「えぇ、今度あるみたいですね」 「い、行くんですか…?」 同窓会… 同窓会って嫌な予感しかしない… だって、忍さんだもん。 元カノとか…きっと…いただろうし… 「行きませんよ。 というか、行ってる暇はありませんから」 「あっ…そ、そうですか…」 ホッ…よかった。 ヤキモチ妬きって思われるかもしれないけれど。 でも、やっぱり不安なんだもん。 これ以上、私の知らない場所へ行ってしまう事が。 「…そうだ。 今度、私の幼馴染みに会いますか?」 今、思い付いたのか私に驚きの提案をしてきた忍さん。 葉書をカウンターに置き、私を引き寄せた。 「お、幼馴染み?! 忍さん、幼馴染みなんていたんですか?!」 「えぇ、最近は皆忙しいから会っていないですけどね。 これから長い付き合いになるだろうから、会っておきますか?」 長い付き合いに… その言葉に特別感を感じてしまうのは、自惚れじゃないよね? 「皆…って、何人かいるんですか?」 「はい、三人ほど」 「男の人…?」 「一人は女性ですよ」 むぅ…と唇を尖らせてみる。 私の知らない昔の忍さんを知っている人… 少しヤキモチ妬いちゃう。
/98ページ

最初のコメントを投稿しよう!