Pure

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「ははっ、大丈夫。 香子さんは亨一筋だから」 突然現れた女性と男性の名前。 その人達が幼馴染みなのかな? 「香子さん?」 「そう。香子さんと亨。 学生時代から付き合っては離れて、またくっ付いたりしてる二人ですよ」 「素敵!! 幼馴染み同士でお付き合いされてるんですか?!」 「ふっ…凛が好きそうな話だね」 幼馴染みの人達の事を思い出しているのか、忍さんは柔らかな瞳をしていた。 遠い過去を懐かしんでいる… そんな感じ。 「もう一人の方は?」 「あぁ…壱琉ね… あいつ何してるかな? ちゃんと生きてたらいいけど」 「あはは!何ですか?それ。 いっぱい聞きたいです! 幼馴染みさん達のお話」 「ふっ、いいよ。 たくさん話そうか、今夜は」 それから色んなたくさんの話をした。 忍さんの学生時代の頃。 剣道部だったり風紀委員長だって話だったり。 彼らしいなって思いながら。 幼馴染みの人達と常に一緒いて、色んな事を語り合ったお話も。 私も聞かれたら、覚えている限りの事を応えたりして。 あまり自分の事を語らない彼から色んな事が聞けたのが、本当に嬉しかった。 まだまだ、彼の事が知りたい。 それが例え、私が聞いて嫌な気分になるような事でも、今の彼を作ってくれた事ならば知りたいって思った。 忍さんの過去も今も未来も、全て支えてあげたいって心から思うから。
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