Pure

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キッパリと満面の笑みで吉田さんの言いたい事を否定した。 もう、何を言われたって惑わされないもん。 あの人を信じてるから。 「あっ…そう… まぁ、気を付けてね…」 「はぁい、ありがとうございます!」 性懲りも無くまだ言ってる吉田さんの言う事は無視して、今日も私の1日が始まる。 例え遠く離れても、住む場所も働いている場所も違うくても、私もあの人も同じ気持ちでお互いの事を思い合ってるって信じているから寂しくない。 そうだ、今度は私から忍さんに何かプレゼントしようかな? 毎日身に付けるものがいいから、ネクタイやハンカチ… ふふっ、懐かしい。 ハンカチにしようかな、青い色のハンカチ。 初めて会った時に私に差し出してくれた、あのハンカチとよく似た物を探してプレゼントしようかな? どんな顔をするだろう? 懐かしい顔をしてくれるかな? それとも恥ずかしくて難しい顔するかな? 忍さんのそんな顔を想像していた時、制服のエプロンのポケットに入れておいたスマホが振動した。 メールだ。 相手はもちろんあの人。
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