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ぼんやりと窓の外の景色を見つめる。
見えるものはコンクリートの建物と道路と電車。聞こえてくるのはかまびすしいインバータ音と車の走行音。
「そんなにつまらないのなら、帰りなさい」
遠くの教授の声が途切れたと思えば、今度は間近で発生。すぐ横に来ていたのだ。
「ごめんなさい」
「……」
素直に謝ると、教授は鋭い目をこちらに向けながら後退し、向きを直して教壇に戻った。
周りの学生は振り返って僕の顔を見つめる。「何あいつ」と言わんばかりの表情をこちらに向け、ある者は嘲笑。
外の景色も音も、講義もつまらない。周りは蔑むために生きている人間という生き物。
本当にわからない。僕は何のために大学へ来ているんだろう。
むしろ、僕は何のために生きているんだろう。
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