一.蓙織園産幸福茶

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 ぼんやりと窓の外の景色を見つめる。 見えるものはコンクリートの建物と道路と電車。聞こえてくるのはかまびすしいインバータ音と車の走行音。 「そんなにつまらないのなら、帰りなさい」 遠くの教授の声が途切れたと思えば、今度は間近で発生。すぐ横に来ていたのだ。 「ごめんなさい」 「……」 素直に謝ると、教授は鋭い目をこちらに向けながら後退し、向きを直して教壇に戻った。 周りの学生は振り返って僕の顔を見つめる。「何あいつ」と言わんばかりの表情をこちらに向け、ある者は嘲笑。 外の景色も音も、講義もつまらない。周りは蔑むために生きている人間という生き物。 本当にわからない。僕は何のために大学へ来ているんだろう。 むしろ、僕は何のために生きているんだろう。
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