一.蓙織園産幸福茶

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 夢があるわけでもない。何か得たい資格があるわけでもない。何かの分野に特別興味があるわけでもない。 それでも、僕は親元を離れて大学付近のオンボロアパートを借りてまでこの大学に来ているのだ。  そこまでして大学に来ているという事は、僕には何かやりたい事があるんだ。  いや、でも……結局二年生になった今でさえもその理由がわからないまま。気づいたら意味を求めるようになっていてーーやっぱり僕には目的なんかなかったのだろうか。 それか、世間体を気にした結果なのか。大学を卒業していないと就職が圧倒的に不利だとか、低能人間に見られるとか……。 ばからしい。 就職した先でまた同じようにつまらない毎日が待っているのなら、もはや何のために生まれてきたのかなんてわからなくなる。
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