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「……起きてたの?」
「……いや?」
思わずついた小さな嘘
結局この期に及んでもまだ、俺は素直に言葉を口に出来ない
「……んー」
もそっ、と。
美紗緒が頭を俺の胸元に埋めてきてそう唸る
「もちょっと寝る」
あー。
あー、なんだ。
ぎゅっと抱き締めたいのを我慢して。俺はちっこい後頭部に手をのせた
愛しい気持ちが、暖かく身体を包む
――俺、コイツのこと
一生大事にするよ
――つづく
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