皮膚の下は怪物

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ぐるぐる。耳に届くぐちゅぐちゅという粘着質な音と、奴の口許に付いた白いねっとりとした液体が、俺のぺニスが快楽を訴えていることを証明している。 ああもう。思わず歯噛みする。実際、気持ちいいってことだけわかれば良いのだろう…相手が女なら。 コイツは、男だ。 イケメンの部類に入るであろう整った顔をわざわざ歪め、ニヤニヤとイヤらしく笑う、何時も隣に居る女(男)が違う男…比叡なのだ。 コイツがどういう人間かと言うと…簡単に言えば、セックス人間。 エッチすることが一番の優先順位で、もっと言えばエッチ以外にはあまり興味がない。因みにバイセクシャル。男も女もおじさんもおばさんも小さい子も愛してしまうえげつないエッチハンター。 何でこいつが警察に捕まらないのか?そりゃあれだ、別に無理矢理やっている訳じゃないからだ。 相手がしたいからそうする。 彼氏彼女、夫妻との関係にマンネリムードの皆に激しいエッチをプレゼントしちゃう。 ヤツのせいで男がオンナになってしまったことも少なくない。 それくらい、ヤツのセックススキルは半端なかったのだ。 何で知ってんのか?…それは何時かのM気質の女が奴とヤった時のこと。 他人に見られながらヤりたいとの要望だったから、その他人役に俺が呼ばれたと言う話で…もう、何か喘ぎ声が半端なかったのを覚えているのだ。 そんな調子でセックスは上手く、処女を捧げても男を捨てても良いと思う奴も少なくなかった。 クラスメイトでコイツとセックスしたことがない奴は居ないだろうとまで言える。 が。そんな奴に、俺だけは全く靡かなかった。多分一番近くに居て、小さい頃からその異常なまでの性欲と子供にしては妖艶な表情を目の当たりにして来たのは俺だろうと思うが、俺はそう言うアブノーマルなことには全く興味がなかった。別にホモが気持ち悪いと思ったことはなかったが、普通に女と付き合いたかった。 そして奴も俺には全くそっちの気が無いらしかったし、だからこそ俺はコイツとたった一人の"友人止まり"の人間だったわけだ。
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