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「じゃあさ、俺のヤツ、もうひとつの口でもくわえてよ?」
「…は?」
いつもの俺とは違う台詞。
俺はエロい話があまり好きではない。着いていけないし…というのは口実で、俺の…セックスの時の性格の変わりかたがアレで、前に彼女にその豹変ぶりを他の女に話されて笑われてから、その話題を出されるのも嫌なのだ。知識はある。話も出来る。ただ…進んでしないだけ。
「外町?」
ポカン、としている比叡。その半端に開いた唇に光る白い液体が、俺のちょっとアレなところを刺激してくる。結果、我慢と言う意味の無い感情のダムは、奴のエロい顔にことごとく崩された。
「早く…ほら、いつもお前の言うことを聞いてやると思うなよ?」
「は?へ?なに…」
俺が笑いながら言えば、案の定訳がわからない、という表情の比叡。そりゃ、何時もは人に押されると断れないタイプだ。だが、俺のその性格は『日常生活』だけなのだ。
「何だよ、お前が最初にやったんだろ?最後までヤれよ、比叡」
がた、ばさばさ。
机が倒れ、教科書の束が床に撒き散らされた。でもどうせ比叡の机だしと気に止めない事にする。
机の上に乗っていた俺が床に降り、そのまま比叡に馬乗りになると、比叡は腰を打ったらしく小さくう、と声を上げた。
だがどうしてこうなっているのか、エロ魔神は何となく理解したようだ。押し倒されて驚きはしたものの、次の瞬間には、待ってましたと言いたげに妖艶な笑みを見せる。コイツ、自分がつっこまれるかもしれないって事分かってないのか?
「俺は女役初めてなんだよ。優しく頼むぜ?」
…否、ちゃんと分かっているようだ。
しかし、自分でも驚いたことに、彼を押し倒していることに違和感が無い。
まるでこうならなかった今までが違和感に感じるほど、こうすることが当たり前な気さえした。
(こうなる運命だったってか?)
ふざけてんのか、ホント。
そう思いはしたが、身体は欲求に対し正直だ。
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