壱章ー教育ー

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「くっ。こう縦横無尽に立ち回れては、、、。」 森林のこの立地において音を殺し、立ち回る系統使い達には絶好の場所であった。 至る所から属性魔法が放たれる中、シルフィはまるでそれが分かっているかのように立ち回る。 「四時方向から雷系広範囲、十二時から水系収束、、、。」 まるで予知でもしているかのような身の捌きに系統使い達の攻撃に僅かに動揺が伝わった。 「そこかっ!」 そう言い放つシルフィが林の中に片手銃を差し向ける。 マガジン装填の穴のない旧式の銃形態、しかしながらその洗礼された銃身や純白のカラーリングはこんな時でなければ見惚れてしまいそうな美しさだ。 「動きが少しでも止まれば!“討て!白浸”。」 カチッとトリガーを引くと、シルフィの“白浸”は魔力を吸い上げ魔法を構築する。 ~系統使い side~ 「うん?闇雲に銃形態を向けてなにをーーなにっ!?」 突然目の前に幾何学的模様が出現したことにより系統使いの一人は目を見張る。 突然現れた幾何学的模様、、、言葉通り一瞬で目の前へと現れた。 しかし驚いたのはそこではない。 「これは魔導陣!?」 魔法・魔導・魔術はそれぞれ独立した技術であることはどの国の誰もが知ることであるが、今系統使いの目の前に晒されている事実は、それにそぐわないものだった。 「おい!!早くよけろ!!」 その魔導陣に気を取られていた系統使いはその仲間の声で我に返る。 「ちっ!“振動式・瞬ーー。」 たが、それよりも早く魔導陣が煌めく。 “空間魔法・小人の箱庭” それが構築・起動・発現されるまでの時間は刹那、、、バチバチバチと放電音を鳴らす雷撃が直線上に放射され辺りを轟音が轟かせる。 ~side out~
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