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「保護する。お前が責任を持って連れて来い」
少女は一瞬顔を歪めたが、すぐさま姿勢を正した。
「了解」
空間ウィンドウが消え、少女はふっと息を吐いた。
「じゃ、行こうか。私は雪菜。五月雨 雪菜(さみだれ ゆきな)」
差し出された手を、自分は果たして掴んだのだろうか。まったく記憶にない。
気づいた時には、どこかの施設に預けられていた。
21年3月5日。父が死に、『俺』と『彼女』が出会ったその日。
《マルウェア》と人類の戦争が始まった。
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