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意味が分からなくなっていた。
泣くしかなかった。
すがりつくように父の胸に頭を押しつける。
グラリ……と、父が傾いた。あんなに頼もしかった父が、倒れ込む。父の首が、消えていた。
灼熱のアスファルトに落下。父はのたうち回ることもなく、肉の焼ける異臭が辺りを満たす。
「おと……さ……?」
思い出したかのように、血液が吹き出した。
アスファルトが真っ赤に染まる。
喉が張り裂けんばかりの悲鳴を上げ、自分はまたしても嘔吐した。
腹にはもう何も残ってはいないのだが、嗚咽が止まらない。
胃が捻り上げられるような感覚。
顔を上げる。
そこには、骸骨にカビを生やしたかのような外見の怪物が佇んでいた。
サーベルを持っており。もう片腕には、父の首。
さらに周囲を見渡せば、何人もの人間の首と胴体が落ちていた。
骸骨の怪物は1体だけだったと記憶している。
みんなこいつに殺られたんだ。
骸骨の怪物は自分を見て、ゆっくりとサーベルを持ち上げた。
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